無垢材や集成材、合板って何が違う？木材加工の種類について解説

木材と一言でいっても、その木材加工の仕方によって見た目や特徴が違ってきます。
無垢材、集成材、合板などといった言葉を耳にしたことはあるのではないでしょうか。ではいったい何が違い、どんな特徴があるのか簡単に解説してみます。

木材加工の種類と違いについて

【無垢材】単一の樹木から切り出したそのままの木材のことを指し、接着剤で加工されていない木材です。
【集成材】木材をスライスし、木目が揃うように重ねて接着剤で固め加工した木材のことを指します。
【合板】薄い板状の木材を、繊維の方向を交互に重ねて複数枚接着剤で圧着した木材。
【突板】薄くスライスしたシート状の木材を、別の木材や合板の表面に貼り合わせた

無垢材の特徴について

無垢材
天然の木目の美しさや温もりがあり、高級家具によく使われます。
木の種類はもちろん、個体によっても木目や色合いが異なり、自然な柄や色合いはオンリーワンと言えます。
色味の変化やツヤが出てきたりと経年変化も楽しむことができます。
接着剤を使用していないので健康被害へのリスクが低いというメリットもあります。

木は呼吸をしていると言いますが、木材には多数の小さな穴（多孔質）があり、空気や湿度を調整してくれ、お部屋を快適に保ちます。また、高音、低音、中音をバランス良く吸収してくれる吸音効果があるため、不快な雑音を吸収してくれます。

紫外線を吸収し、体を温める赤外線を反射する効果もあり、目にも優しいとされています。

天然の木の香りは癒し効果もあり、ストレス緩和にもなります。ダニの増殖を防ぐ効果もあるようです。

無垢材のデメリット
上記のようにいいことばかりの無垢材ですがデメリットもあります。
木は調湿するため、膨張したり縮んだりし、反りや割れが生じやすいというデメリットがあります。
また、木目や柄もそれぞれに異なるため、希望している木目や柄を揃えることが難しい面もあります。
凹みやすく、傷が付きやすい木種もあり、お手入れや扱いが難しいと感じる方も多いです。

余談ですが、天然木と無垢材の違いはご存じでしょうか
天然木は自然の木材の総称です。
天然の木を加工している集成材や合板も含まれ、無垢材もその中の一種ということになります。

集成材の特徴について

集成材
無垢材に比べて狂いが少なく、安定性も高く、大量生産の家具に向いていると言えます。
また、木目を揃えて張り合わせることで無垢材のような自然な風合いを出すことも可能です。
割れや大きな節などを取り除き加工されるため、均一で強度が安定しており、反りなども生じにくくなります。また、大きな面積の材が必要な場合、無垢材に比べて比較的安く手に入ります。

集成材のデメリット
木目を継ぎはぎしたような木目になり、無垢材にあるような流線型の自然な木目を楽しむことはできません。また、一部の接着剤にはホルムアルデヒドなどの有害物質が含まれている場合があり、シックハウス症候群の原因となる可能性が懸念されていましたが、近年では安全基準が厳しくなり、低ホルムアルデヒド製品が主流となっています。接着剤が経年劣化することで、剥がれや強度低下が起こる可能性もあります。

合板の特徴について

強度が高く、変形しにくく軽いという特徴があり、ベニヤ板とも呼ばれます。
断面は板を重ねることにより縞模様で、表面は様々な模様や色が印刷されているものや、天然木の単板を貼り、表の見た目は無垢材のような風合いのものもあります。音や振動を吸収し、熱を通しにくいという特徴もあります。価格が安価なのもあり、さまざまな用途で使用されています。耐水性の違いにより合板の種類があり、使用場所や用途により選ぶことが大切です。

合板のデメリット
無垢材のような自然な木目や温かみは得られにくく、時間が経つと表面が剥がれるといったことも起こります。また木材と接着剤が一体化しているため、リサイクルが難しく、環境負荷が高いという側面もあります。

突板（つきいた）の特徴について

無垢材のような見た目を再現できるため、高級感を得ることができます。貼り付ける芯材に安価な材を使用することにより、無垢材より価格を抑えることができます。

突板のデメリット
スライスしたシートの厚さ0.2〜0.5mmと薄いため、傷がつきやすく、一度傷つくと芯材が見えてしまうことがあります。
水や熱に弱く、水分が浸透したり高温になると変形したり、表面が剥がれる可能性があるのもデメリットのひとつです。また、接着剤を使用するため環境への負荷も考えられます。